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愚者の跳躍

ロックマンの絵とか文とかのログ倉庫。2ボス、ワイリー陣営で腐ってます。マイナーCP上等。NLもあります。サイトは戦国BASARAメインです。

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カオス15-17

2009/11/03(Tue)22:26

なんにも更新がないのもアレなので、ちまちま書いていたコピメタフォル×3をお試しで。
それにしても、我ながらなんて斜め上なカプ;
いつもどおりの需要度外視でございます。



<その15>


「いい子だ」
 うるさい。

「お前が好きだよ」
 だからなんだ。

「愛しているよ、可愛い子」
 やめろ、やめろ。
 そんなことをいうな。
 

 その声は黒く甘くとろりと滴って俺の中に忍び込む。
 毒の蜜はざらつく心の空洞を慰めるように潤していく。
 少しずつ、少しずつ、抵抗する力を剥ぎ取っていく。

 受け入れてしまったら終わりだというのに、動けないんだ。




<その16>


「一日遊び歩いて疲れたか?」
 頬に感じる腿の人口筋肉の冷たさ、頭や首筋を撫でる指が心地よく、今にも瞼が落ちてしまいそうになる。
 処理が重い。E缶なら飲んだのに、動作が鈍い。
 のろのろと口に出すと、低い笑い声があがる。
「エネルギーの話じゃない。お前の電子頭脳が必死に情報を処理しているんだ。戦闘に関するものじゃないから、苦手分野なんだろう」
 低く甘く柔らかく、その声は俺の中に染み込んでいく。普段ならば多少は反抗心を抱いたであろう言葉の内容ですら気にならないほど、心の防壁が麻痺しているようだった。
「無理をしないで、もう眠ってしまいなさい」
 膝枕をした状態で眠れというのだろうか。
「ああ。お前がスリープモードに入ったら俺の膝の代わりに枕をやるから」
 つまり、俺が寝た後部屋を去るつもりか。
 何故そんなことを言うのだろう。
 いつもなら、有無を言わさず俺を抱きしめて寝るくせに。
 たとえ俺が先にベッドに入って寝ていたとしても、勝手にもぐりこんでくるのに。
「俺がいたら、今日の記憶整理の邪魔になるんじゃないかと思ってな。感覚データを上書きしてしまうかもしれないだろう?」
 俺がキザ野郎と出かけたことが気に入らないのか。 
 感覚といっても、手をつながれたとか頭を撫でられたとか、その程度なのに。
「俺もたまには嫉妬という感情も味わってみたいんだ。拗ねるという行為も、興味がある」
 おかしな奴だ。
 お前は俺のものじゃない。
 俺だって、お前のものじゃない。
 少なくとも、何も約束などしていない。
「わかっているよ。でもヒトの感情というのはね、言葉で確かめることなしに勝手に発生するものなんだよ。理屈で抑えられるものじゃない。今日一日お前がブルースと一緒に出かけて、お前のためには良かったと思っているよ。お前の兄としてね。でも、少し寂しかったし、ブルースを殴りたいと思ったことも嘘ではないんだ。だからあいつ、門の前で帰っただろう? 俺に会いたくなかったのだろうな」
 寂しい、か。
 思ってしまうことを抑えられないなら、眠った後お前が去ることを寂しく思うことも仕方が無いのか?
「珍しく可愛いことを言うな……やはり疲れているんだろう。早く眠ってしまいなさい」
 まて。
 やっぱり、いってしまうのか?
「お前は我侭だな、フォルテ。我侭な子は嫌いではないが、お前が寂しいというだけではダメだな。俺がお前が出かけるのを寂しいと思いつつも、止める資格がなかった様にね」
 じゃあ、どうすればいい?
 いかないでくれと言えばいいのか?
「可愛いお前が頼むなら仕方が無い。ハッキリ言ってごらん?」
 ここにいてくれ。
 いつものように、朝まで。
「今夜は本当に素直だな。わかったよ、フォルテ。一緒に寝てあげよう。いつものように」
 ああ、俺はどうかしている。
 だけど、安堵を止めることが出来ない。
 朦朧とした意識を満たしていく温かさを、消してしまうことができない。

 約束の言葉がなくても、心の所有権が勝手に移ってしまうことはあるのだろうか。




<その17>


「愛しているよ、フォルテ」
 うそつき。

「嘘じゃない……が、信じないならそれでもいい。お前が信じなかったとしても、俺の愛が揺らぐことはないのだから」
 俺以外の奴にも言ってるくせに。

「そうだな。俺は弟たち皆を愛しているからな」
 俺はそいつらの中のひとりってことだろう?

「フォルテは、俺の中でも一番じゃないと気がすまないか?」
 ――そいつはひっそり笑って言った。
「だったらお前、同じ対価を払ってもらうよ? 俺を一番愛していると思えるかい? だったら俺の心もお前にあげるのだけど……どうだい?」

 薄闇の中で輝く不吉な緑。




+++

16はfが青兄さんとどこかに出かけたみたいです。

気を抜くとコピメタさんの口調がすぐねっとりし始める…好きな口調なので。もともとオリジナルよりまったり喋る設定ではありますが。
フォルテがあんまりにも反抗的なのでブリーダー的に手懐ける役目を買って出たコピメタさん、というのがこのカプの走りです。メタ兄は厳しくしてしまう性質ですが、コピメタさんは真綿のようにじわじわと……って、それじゃ殺してるw
でも気づいたらまたラブっぽくなっている…というか、フォルテがオチはじめている;「あとで覚えてろよ!!」って言いながらえぐえぐ泣いてる展開が好きなのですが…まあ、それがフォルテのツンであるとすれば問題ない気が。

私のツンデレはすぐにデレるのが問題です。

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No.273|ロックマン腐向けComment(0)Trackback()

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