今日は良い夫婦の日かぁ……TRPGしにいってたのでMQ系は何も出来ませんが。というか、普通にイチャイチャしてるだけの話はすぐにネタが尽きてまう;
今日の子はスネークをモデルにデータ組んでましたwメカではないけど蛇を操る能力にして、多人数に足止めや毒を与える攻撃。なかなか楽しかったです。
それはそれとして、カオスです。
懲りずにコピメタフォルで。
明日仕事が早く終われば、何か書きたいなぁ…
<その18>
あいつは緑の目を静かに輝かせて相手を見つめ、「好きだよ」「愛してるよ」と囁いてやり、優しく抱きしめて冷たい唇でキスをする。
ありきたりな愛の言葉を信じようと信じまいと、たいていの奴らはそれだけで一夜限りの甘い夢に身を委ねてしまう。
あいつは誰に対しても愛を囁く。
本当は誰も愛していないくせに、皆ころっと騙される。
俺は違う。
俺は騙されるものか。
あいつのものになど、なってやらない。
《抗うのはすでに意識しているからで、それはつまり心の一部を奪われているということだけれど》
<その19>
初起動した俺がワイリーに引き合わされたのは、俺の設計にも関わったらしいロボット二体だった。全く同じロボットが顔を並べていたが、受ける印象はずいぶん違う。
赤いカメラアイのロボットは物静かな笑みを浮かべていた。
「はじめまして、フォルテ。DWN.009メタルマンだ」
「ああ……このジジイが最初に作ったロボットだろう?」
俺の『家族』とやらに関する知識はあらかじめインプットされている。わざわざ紹介などしてくれなくても、顔を見ればわかるのに。面倒なことだ。
ワイリーをジジイと呼んだ瞬間メタルマンの眉がわずかに動いたが、俺は何か言いたそうな様子を無視してもう一人の方に振り返った。というより、そいつが俺のすぐ傍に接近していたからだ。
「で、お前はコピーメタルマンだな? わかってるから紹介なんぞいらない。お前ら二人で俺のメンテナンスをするんだろう?」
「なかなか反骨精神旺盛じゃないか。起動したてなのに物怖じした様子もない。これは見所があるな」
コピーメタルマンは何故か緑のカメラアイを輝かせて笑った。すぐ後ろにいるメタルマンも声こそ上げなかったが笑う気配がする。
わけがわからん。
それより、最新型でスペシャルナンバーズである俺が旧型の複製体ごときにどうして「見所がある」なんて上から目線で言われなくちゃならないんだ。ニヤニヤ笑いも気に食わない。
「おい!」
文句を言おうとした瞬間、コピーメタルマンがさっと腰を落として俺と目線を合わせた。
「さて、フォルテ」
「な……なんだ、一体」
いきなり真面目な顔しやがって。
「起動したばっかりだから少しチェックをしよう」
そう言うと、俺の頬に手を添えてきた。そのままわずかに顔を上向きにされる。
「うーん……」
コピーメタルマンは難しい表情で俺の顔をじっと見つめた。
「何か問題でもあるのか」
「そうだな。実際のところ、ある。重要な問題がな」
真剣な顔で言われると少し不安になる。俺は最強のロボットとして生まれたのに、致命的な欠陥などあったらどうしたらいいのだろう。存在理由と価値が、いきなり揺らいでしまったら。
「変な事を言うな。俺は起動したばっかりなんだぞ」
「不安にさせてすまない……ちょっと目を閉じてくれ」
「お、……おう」
動揺していた俺は、言われるままに目を閉じた。
次の瞬間、
ちゅ。
唇に冷たくて柔らかいものが押し付けられた。
「!?」
思わず目を開けると、目の前にあったコピーメタルマンのアップがさっと離れるところだった。
頭が真っ白で何も考えられなくなった俺の前で、コピーメタルマンは神妙な表情で謝ってきやがった。
「すまない。問題は解決できなかったようだ」
「な……お、おま……お、ま、え……」
一気に顔面温度が上昇する。頭が沸騰して上手く言葉が出てこない。
「お前は可愛すぎる。案の定、キスしたいという欲望を止められなかった。ナンバーズの期待の星として厳しく育てる事が決まっているが、きっと可愛がってしまうな」
大仰な仕草で嘆きを表現しているコピーメタルマンに、メタルマンが呆れたように呟く。
「……お前が弟に厳しく接したことがあったか?」
「ないな。俺はお前とは違う。心を鬼にして厳しく接することなんてとてもとても……」
「おまえら……ッ」
悪びれないコピーも、咎める気配すらないオリジナルも、どちらのメタルマンも気に食わない。
「そんなに怒らないでくれ。ただの挨拶だろう?」
「少々過激な親愛の表現だ。矯正は不可能だから早く慣れた方がいいぞ」
「うるせえ! 俺を、俺を騙しやがって……!」
コピーメタルの言葉を鵜呑みにして怯えてしまった自分にも腹が立った。あんなに簡単に動揺してしまうなんて、情けないにもほどがある。
「フォルテは意外に素直で純粋な子だとわかって良い収穫だったな。ファーストキスまでいただけて俺は満足だ」
コピーメタルの笑顔の胡散臭すぎるほどの爽やかさに、拳がぶるぶる震えた。
ああ、これが『憤怒』という感情か。
「フォルテ、次は動作チェックだ。こちらへ来い」
「お前の性能を見せてもらうからな。鬱憤はそっちで晴らしてくれ」
「お前が言うな!!」
ああ、こいつらが俺のメンテナンスと教育担当だっていうのか。
最悪だ。
+++
18はネタメモから。19はちょろっと思い浮かんだシーンを書くべくちまちま打ってたら長くなったもの。メタルズの印象が良かったのは、フォルテの反骨ぶりが「ワイリーに似てる」と思ったからです。他のロボットは起動したての頃はわりと従順なので。
でもここから反抗期が始まるんだ。
[1回]
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