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愚者の跳躍

ロックマンの絵とか文とかのログ倉庫。2ボス、ワイリー陣営で腐ってます。マイナーCP上等。NLもあります。サイトは戦国BASARAメインです。

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耐え難い空白を待つ_01(M´×Mg)

2010/03/07(Sun)19:36

笑顔動画のがくぽ涙目四天王がパネェ。
様式美HMの方と現ルネPは前々からのファンなんですが、他の方は昨日初めて聞きましたエロい!
個人的には処女蝶(←邦訳)が「蜘蛛と蝶」のイメージでまんま某様のMQソングですエロい。本人が歌ってみたverがエロくてエロくてけしからんです。やっぱり絡みつくようなエロい歌い方は、まだまだボカロにはできないなぁ。



本題ですが、またも需要なしのどマイナーカプです。
「俺向け、俺設定、メトレスあり」とお客様に全く優しくないつくりです。
オマケに途中です。続きは裏行き!

とりあえずの注意事項
・コピーメタルはタラシ。
・マグネットは大人しめ。

うああ、何で毎度忘れるかなぁ。
タイトルはお題配布サイトからいただいてます。いつもお世話になってますorz




【耐え難い空白を待つ_01】



 ――私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。

     *

 何処までも続く電子の暗闇の中、『私』は目を覚ました。
 正確には覚醒コードを送られてスリープ状態から復帰したのだが、奇妙なことに眼前は暗闇のままだった。
 いまだ現世における機体を持たず、ただのAI人格でしかない『私』――それも、コアから切り離され、戦闘訓練を行うだけの不完全なプログラムでしかない『私』が目覚める場所は常に仮想空間――訓練用のスペースだったり、廃墟だったり、森の中だったり、とにかく何がしかの『戦場』であるはずなのだ。
 ここにはそれがない。
 プログラム更新時に半覚醒状態で認識する、『私』という情報体に与えられた端末内のスペース――行き止まりのある闇の中だ。
 それでいて、『私』は訓練中に使用するアバターの姿で目覚めている。
 赤い装甲、黒い戦闘用スーツ、U字型磁石のシンボルがついたフルフェイスのヘルメット。これは、完成した『私』の姿らしい。『私』、つまりマグネットマン――本体と分離した仮初の人格でも、ここではそう呼ばれている。
 いつもと違う状況に不安を抱いた『私』は、外部へ話しかけた。
『メタルマン。今日は訓練ではないのですか? だとしたら、仮想空間へアクセスできません。システムに異常が――』
【Unknown:いや。今日は訓練じゃない。アバターは正常作動しているかい、マグネット?:over】
 返ってきた返事は、『私』の訓練を担当しているメタルマンのものではなかった。通信エントリーが識別不能だったのだ。
 それだけではない。0と1でできた機械語は、達者な者にかかれば細かなニュアンスまで完全に伝えることが出来る。返答は随分と柔らかく、それでいてどこか不安を感じさせる歪み方をしていた。それが何なのか、『私』程度には理解が出来ない。ただ、表面上は事務的で、内面は厳然としたメタルマンの言葉ではなかった。
 ここには『私』しかいないが、外にはもちろん、たくさんの存在がいる。データによれば、『私』はワイリー博士とライト博士によって製作中のロボットであり、メタルマンは彼らの助手だ。メタルマン以外に助手がいてもおかしくはない。
『あなたは誰ですか?』
 私の問いかけに、謎の相手は笑いを含んだ返事を返してきた。
【Unknown:アクセスゲートを開くから、入ってくれ。そこで会おう:over】
 その言葉と同時に、暗闇の中にアイコンが浮かんだ。それに触れればアクセスできるのはわかったが、相手は「今日は訓練ではない」と言ったのだ。何の用があるというのだろう。
『待ってください。あなたは何者ですか? 識別不能エントリーなのは何故です?』
【Unknown:俺もワイリー博士の助手の一人だよ。実際、この端末にアクセスするのは今日が初めてで、エントリーを設定していなかった。お前に直接会いたい。それだけだ:over】
『そうですか』
 直接、ということは彼も仮想現実に入れるロボットなのだろう。
 だが、エントリーを設定していなかったというのは嘘だと思う。正規の手段でアクセスできる権限があるなら、エントリーは設定済のはずだ。私のつたない知識でも、それくらいはわかる。
 だが、私は彼に会う気になっていた。
 敵意や害意は感じられなかったし、何より『会いたい』と言われて嬉しかったのだ。
 『私』はメタルマン以外のロボットに会うのは初めてだ。『私』には兄弟がいるらしいのだが、『私』も彼らもまだ調整中で、会った事がない。
 メタルマンが『私』の会うことのできる唯一の存在だったが、彼はなんというか……怖い。非常に厳しいのだ。ただ『会いたいから』という理由で私にアクセスすることもない。
 ――どんなロボットなのだろう?
 『私』はわくわくしながらアイコンに触れた。

  *

 アクセスした先は、いわゆるリビングルームだった。どうやら、『私』がいるワイリー研究所のリビングルームを模しているらしい。ただ、キッチンに続くべき場所には真っ白な壁があり、『私』が入ってきた入り口は廊下ではなく『私』のいた場所に繋がっている。
 設定はいつもの『戦場』とほぼ同じなのか、触覚や体内感覚が再現されていた。
 そして、ソファには、脚を組んだメタルマンが座っている。
『!?』
 驚きのあまり硬直した『私』は、心の中で悲鳴をあげた。
 メタルマンではないと言ったのに!
 いや、よくよく認識すれば、識別コードの違いが見て取れた。さらに、アバターの目の色も違う。メタルマンは赤だが、このメタルマンは翠だ。
 ああ、ややこしい。
『あ、あなたは誰です?』
『始めまして、マグネット。俺はコピーメタルマンだ。よろしく』
 彼はソファに座ったまま『私』に手を差し伸べてくる。
 これはきっと、握手を求めているんだな。
 そう理解した私は、彼の手を握った。
『始めまして、コピーメタルマン。ところで――』
 ところで、『コピー』というのはどういう意味ですか?
 そう続けるはずだったセリフは、コピーメタルマンに腕を引かれたせいで途切れた。
 油断していた『私』はひとたまりもなくバランスを崩し、彼の胸元に倒れこむ。
 いや、倒れこむというよりも、待ち構えていた腕の中にすっぽり納まったと言う方が正しい。
『何をするんですか!』
 抗議の声を上げて見上げると、驚くほど近くに彼の目があった。
 ライトグリーンの瞳が妖しく輝いている。
 作り物であるロボットを、さらに作り物の仮想空間で再現しているだけなのに、この生々しさはなんだろうか。
 目が離せない。
 緊張する『私』の様子をどう思ったのか、彼はうっすらと笑みを浮かべた。
『コピーメタルマンでは長すぎるな……コピーメタルか、コピーでいい』
『コピー……というのは、どういう意味です?』
『そのままの意味だ。俺はワイリー博士の実験で造られた、メタルマンの複製体さ』
 なるほど。複製体ならば同じ外見をしていることも納得がいく。
『あいつの記憶は全部持ってるんだが、製作順でいえば、お前たちが俺の初めての弟たちになる。だから、会いたかったんだ』
『では、ニードルは……? 私の兄にも会ったんですか?』
『ニードルはまだ人格が安定してないから、会うなと言われたよ』
 マスクの下で苦笑したコピーメタルは、やはり邪魔だなと呟いた。そのとたん、彼のフルフェイスのヘルメットが消えていく。
 腰の強い真紅の髪がこぼれ、鋭い輪郭を縁取った。
 メタルマンはこんな顔をしていたのか。
 初めて見る仮面の下をまじまじと眺めていると、コピーはくすりと笑って『私』の頭に触れる。それでアバターの設定を弄ったのだろう――私のヘルメットも消えてしまった。
『なかなか可愛い顔をしてるじゃないか。黒髪も良く似合う』
 コピーメタルは肩口にこぼれた『私』の髪をすくってくちづける。
 その仕草に、『私』の感情値が跳ね上がった。
 人間的に言うと、ドキリとしたという感覚に等しい。
 そして、今更ながらに近すぎる距離を意識した。
 こんなに近くに誰かがいるなど、それこそ近接戦闘の訓練中でしかありえない。コピーメタルの腕に抱かれたこの体勢は無防備に過ぎる。
『あ、あの……すいませんが、少し離れて下さい』
 『私』はおずおずと彼の肩を押して距離を取ろうとした。
『えっ?』
 仰け反った体はなぜか支えを失い、ソファに仰向けに倒れた。
 コピーメタルが背に回していた手を離したのだと気づいたときには、すでに彼は『私』に覆いかぶさっている。
 薄い唇の浮かべる得体の知れない薄笑いはなんだろう。
 面白がっているような光を瞳に浮かべたコピーメタルに、私はすっかり動揺してしまった。
『あ、あ、あのあのあの……』
『お前が、俺の出会った最初の弟だと言っただろう?』
『は、はい。そうですけど、でも……』
『俺はね、俺の弟たちを愛してる。でも、俺が生まれた時すでに存在していた弟たちへの愛情は、オリジナルの愛情かもしれないんだ』
 わかるね、と問われて、『私』は頷いた。
 彼はコピーだ。彼の抱いている気持ちが、オリジナルから写し取られてきたものでないという証拠がどこにあるだろう。
 『私』の理解を読み取ったのか、彼はひとつ頷いて続けた。
『だが、俺の後に生まれた弟たちへの気持ちは、俺だけのものだ。借り物じゃない、俺自身の感情なんだよ。それを確かめたくて、ここへ来た』
『そう……だったんですか。でも、私はマグネットマン本体じゃない。ただの戦闘用プログラムと、統合時のクッションにするための複製人格ですよ?』
『知っているよ。でも、実際こうして交流できているじゃないか。それくらい出来上がっている弟がいるのに会えないなんて、寂しいよ。我慢できなかったんだ』
『あ……』
 甘い声で囁きながら、彼は『私』の手を取って指に唇を押し当てた。
 柔らかな感触にまた感情値が揺れる。最初は大きく、その後もさがることなく、小刻みに上下する。その表現として、『私』は大きく喘いでいた。見開いた目の先で、コピーメタルが顔を近づけてくる。
『ちっ、近いですコピーメタル! 困ります!』
『困る? 何がどう困るのか、言ってごらん?』
 鼻先が触れ合うほどの距離で、二つの翠が輝いていた。
 ちろちろ揺れる二つの小さな炎に魅せられて、『私』は何も言えなくなる。
 言葉もなく唇を振るわせる『私』を見て、彼は笑い、最後の距離を詰めた。
 戦闘訓練の時の『私』は、当然フルフェイスのヘルメットをつけた姿で再現される。
 だから、唇に何かが触れる感触は、これが初めてだ。

     *

 ――私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。私は覚えている。





+++++


私以外需要のない裏に続く……書けたらうpします。

こんなところに設定書くなよって話ですが、

・3ナンバーズ(以下サーズ)はワイリー・ライトの共同開発。
・機体はライト博士の研究所にある。
・ワイリーとメタルはこっそり彼らを戦闘用に改造するため、人格をコピーして自分たちの研究所に持ち帰り、仮想空間で戦闘訓練をした(教官はメタル)。人格もコピーしたのは、クラッシュのようにプログラムと人格が齟齬を起こして暴走しやすくなる危険を回避するため。
・そのときのあまりの鬼教官ぶりにサーズはびびっている。
・コピーメタルはサーズが完成するより前に作られ、メタルが博士に同伴していなくなるときの留守を任されている。
・この話は、コピーが多少クイック離れしてきた時期の話。

です。

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