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愚者の跳躍

ロックマンの絵とか文とかのログ倉庫。2ボス、ワイリー陣営で腐ってます。マイナーCP上等。NLもあります。サイトは戦国BASARAメインです。

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Misericorde_03(M´×f)

2010/05/04(Tue)23:31

ロクマサイト巡りしてたら10のアレンジサントラにフォルテのマンガがついてるという話を目にしたんですが……よくよく自分の妄想具合がわかっという。

ようやくカプ話っぽくなってきたような気がしますが、単にコピーが酷いだけの気がする。ここからコピメタとフォルテのターンです。
あと、2に拍手下さった方ありがとうございます!本ッッ気で私しか読みたくない話だと思ってたので励みになります!!


<注意事項>
・私のフォルテ妄想満載の話です。フォルテに夢見すぎてます。
・M´×fの初めて話なので連載途中で裏に飛ぶ予定です。
・基本的に鬱気味。グロ(欠損)表現あり。
・ここからずっとメットレス

以上の件がOKできる方だけ読んで下さい。



【Misericorde_03】



 メンテナンスモードで夢さえ見ない眠りに浸っていたフォルテは、覚醒コードを送られ通常モードへと移行した。眠りに落ちる前と同じ作業台で目が覚める。どうも身体のバランスが取れないと思ったら、手足が外されていた。
 知覚できる範囲にワイリーとメタルの不機嫌な顔はなく、代わりに素顔のコピーメタルがいた。彼は長い脚を組んで簡素な椅子に座り、フォルテを眺めながら煙草を吸っていた。
「おい、修理は終わったのか?」
「終わったよ」
 コピーメタルが携帯灰皿に灰を落としながら答える。あっさりとした返答にむっとしたフォルテは、いつもの気に入らない薄笑いを浮かべたコピーメタルを睨みつけた。
「ならさっさと手足を返せ」
「悪いが、お前の腕はしばらく時間がかかる。パーツがないんだ」
「じゃあ、間に合わせのでもいいだろう! いつまでこんな状態で放って置くつもりだ!」
 フォルテとてロボットだ。何かある度に手足を外されることには慣れていたが、それが好きと言うわけではない。最強のロボットとはいえ、四肢がなければ芋虫のように這うことしか出来ないのだ。この状態で放置されるのは屈辱としか言いようがなかった。
 苛立ちを深めるフォルテに対し、コピーメタルは煙草をもみ消しながら言った。
「その前にちょっと話をしないか? 抵抗力を奪っておいて何をいうかと思うだろうが、俺としては怒ったお前に掴みかかられたくないんだ。お前に勝てないのはわかりきってるだろう?」
 それでこっちを持ち上げたつもりか。
 コピーメタルが手足のあるフォルテに敵わないのと同様に、手足のないフォルテはコピーメタルに敵わないこともわかりきっている。相手の立場が圧倒的であることを認めるのは癪に障ったが、一刻も早く手足を返して欲しいフォルテは、歯を食いしばって答えた。
「……さっさと話せ」
「何故お前は博士に逆らうんだ?」
「俺が最強だからだ。最強のロボットは誰の命令も聞かない」
「それはそうだ。だが、仲間に迷惑をかけてるって自覚はあるか?」
「俺には仲間なんぞいない。ゴスペルだけだ」
「毎度毎度、損傷したお前を修理してる博士や俺たちのことはどう思ってるんだ?」
「それはお前たちが勝手にやってることだ。嫌なら修理しなければいい」
「感謝とか、そういう気持ちはないって事か?」
「当たり前だ」
「じゃ、どうしてこの基地で寝泊りしてるんだ?」
「便利だからに決まってる」
「まあ……筋は通るけどな」
 コピーメタルは呆れたように呟くと、諭すような口調で言った。
「お前がロックマンを倒そうと必死になるのはいいんだ。ただ、その過程で博士や俺たちを心配させたり、味方を攻撃したりするのは止めてくれないか? 極論を言えば、守って欲しいのはそれだけなんだよ」
「知ったことか。勝手に心配でもなんでもすればいいし、俺にはゴスペル以外に味方なんていない」
「フォルテ……独りで生きていける奴なんか、この世にいないんだよ?」
「俺は違う。それに、死ぬときは誰だって独りだ」
 フォルテの答えは、今まで何度となく繰り返してきたように揺ぎ無い平行線だった。
 コピーメタルはふぅむ、と唸り、頑なな表情を浮かべているフォルテを観察した。
 別に今回のことを怒ってるわけではないのだ。フォルテの今までの行動全ての積み重ねの上に、たまたまきっかけとして今回の出来事があるだけだ。それこそ、今まで何度も同じことがあったように。
 ただ、コピーメタルがフォルテとじっくり話をするのはこれが初めてだった。コピーメタルは説教があまり好きではない。鋼の意志を持つオリジナルと違い、コピーメタルは弟たちへの愛情に負けて彼らを甘やかしてしまうからだ。
 フォルテの言葉は、オリジナルから受け取った記憶データとほぼ同じもので、コピーメタルはそこに妙な違和感を覚えていた。
 フォルテは確かに自分のこととして話してはいるのだが、彼の本心ではなく一般論に聞こえるのだ。弟たちを愛するあまり、片っ端から誘惑して愛人に変えてきたコピーメタルは、相手が本心で話しているかどうかを見極める程度の経験はあった。
「埒があかないな」
 コピーメタルはゆっくりと立ち上がり、作業台に歩み寄った。フォルテの身体に繋がっているコードを一つ一つ外しながら、ゆっくりと話しかける。
「お前は嘘はついてないだろう。だが、何か隠してることがあるような気がする……だが、あいにく俺はそれを聞き出す手段を一つしか知らないんだ」
 うっすらと笑みを浮かべ、無防備に横たわるフォルテを見下ろす。
「お前の身体に聞いてみよう。少しは素直になるってことを学んだ方がいい」
 敵意に満ちた目で彼を見上げていたフォルテが、わずかに表情をこわばらせた。透き通った紅の瞳に走った細波のような感情が、コピーメタルの背筋にぞくぞくするような愉悦をもたらす。
 コピーメタルはずっとフォルテに興味を持っていたのだ。これを楽しみにしていなかったと言えば嘘になる。むしろ、本来の目的を忘れないように自制しなければならないだろう。
 怯える獲物を前にした捕食者のように、彼は唇を舐めた。



>>【Misericorde_04】

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