なんだかとっても書きたい気分らしいので、やる気がある間に書いておこうと思ってる。
今日あと出来ればメタメタ裏も書きたいんだぜ。
久しぶりに影さんの話です。影→複製岩なかんじで
これの続きでもあります。
うちの複製岩がなんで出てきたかという話でもあったり。
煮え切らないヘタレでおばかな影さんです。カッコいい影をお求めの方は他を当たってください……女神ギガミの影はあんなに渋カッコいいのにさぁ。
メタルがちょっと冷徹だったり、コピメタフォルの話がちょろっと出てきたりもします。
タイトルはお題配布サイトからいただきました。
【追記】
一瞬「小話」でうpしたんですが、同考えても「腐向け」だったのでカテゴリ変えました。
【オールド・ローズは戻らない】
あの君はもういない
君はあの君ではないけれど
君としたかった話があります
もっと君と一緒にいればよかった
君は恨むでしょう 僕を憎むでしょう
それでも構わないから
君の意味を僕に下さい
+
「もう一度、ロックマンをコピーする……でござるか?」
モニターの明かりのみが灯る研究室。呆然と呟いたシャドーの前で、ヘルメットとマスクで顔を覆ったメタルマンが頷いた。
「ああ。三次元立体コピーシステムのバックアップデータが残っていてな。コピーシステムの試作機にデータを入れればもう一度コピーロックマンを作り出せる――リアルタイムバックアップを使うから記憶はある程度引き継いでしまうがな」
だとしたら、生まれる存在は自ら選んだ死の続きを生きることになるのだろうか。
死に近いものを経験したことは、一度はロックマンに敗北したワイリーナンバーズなら誰にでもあることだ。
だが、わからないことがある。
「それを……どうして拙者に話すのでござるか?」
「どうでもよかったか? だったら呼び出して済まなかった。部屋に戻ってくれ」
「そ……」
そんなことはない、と言おうとしたシャドーは一瞬の迷いの後言葉を変えた。
「そんなことは……許せぬと言ったら?」
半ば演技、半ば本気で殺気を滲ませメタルを睨みつける。だが、メタルの動揺を引き出すことは叶わなかった。
「お前が許さなかろうが関係ない。もう一度コピーロックマンを作ることは決定事項だ。ロックマンの機能を研究するためにな」
「データだけでは、ダメなのでござるか?」
「何度も同じことを言わせるな」
もともとメタルの感情は読みにくいが、顔のほとんどが隠れた今の状況では、さらにその心中はうかがい知れない。文字通り機械の冷徹さで、真っ直ぐにこちらを見つめてくる。
「お前はコピーロックマンの存在を望まない――そういうことでいいな?」
酒のつまみは〆鯖でいいな?――そう問いかけてくるのと同じ気安さではなかった。作戦中でもないのに司令官の顔で問いかけるメタルには、きっと別に言いたいことがあるに違いない。
シャドーは自分の頭が余り良くないことは自覚している。だが、有無を言わさぬ視線に対し、もっとわかりやすく言って欲しいと願うことは無駄だと知っていた。
「そのようなことは申しておらん。ただ、またあの時のように苦しむのならば……」
「ならば?」
「哀れだと……メタル殿はそうは思わぬか?」
「思わない。俺のコピーのような例もいるしな……記憶は引き継いでもコアは違う、別人だ。ロックマンの影武者になってもらう予定もないしな」
「メタル殿のコピーとて、複製体である自身に全く悩みを抱いておらぬ訳がない」
「それはオリジナルの俺が一番良くわかっていることだ。お前に言われるまでもない。だが、それはそれとして、あいつはうまく折り合いをつけてやっている」
「あの御仁は稀有な例でござろう……」
目の前のオリジナルとは正反対に開放的で自分に正直な赤いロボットのことを思い出し、シャドーは顔をしかめた。だが、それで誤魔化されてくれるほどメタルはたやすい相手ではない。
「いいから俺の質問にハッキリ答えろ。コピーロックマンの作製は決まっている。だが、お前はもうコピーロックマンとは関わりあいたくない。それでいいな?」
「そうではない……」
急かされるほどに混乱する。
関わりあいになりたくないかと問われれば、答えはNOだ。
見れば、メタルの赤い瞳には呆れの色が混じり始めている。確かに、情けない様だろう。
自分で自分を笑ってしまいそうだ。
「メタル殿、教えてくれ……研究が終わったら、コピーロックマンはどうなる?」
「俺のコピーが興味を示していてな。同じコピーロボットのよしみでいろいろと面倒を見たいと言っている」
「コピーメタル殿が?」
脳裏に浮かぶのは、コピーメタルの冷たくも艶めいた微笑みだった。彼の過剰すぎて歪んだ愛情の洗礼を受けたDWNには事欠かない。
「今は確か……フォルテに御執心ではなかったか?」
「身内のロックマンなら面倒なく思う存分××××できるとか言っていたな」
「相変わらず不埒な御仁であるな……」
言語システムの倫理コードで『ピーッ』という電子音に変換された単語が何かは考えたくもない。
ともかく、コピーメタルの手に渡ったコピーロックマンの末路は想像に難くなかった。
「もう一つ、何故拙者にこの話をした? それを聞いたら必ず答えを出す」
「煮えきらん奴だ……」
マスク越しに深々とため息をついたメタルは、やれやれと言いたげにシャドーを見た。
「今度のコピーロックマンは今の所モルモットのようなものに過ぎん。そんな生まれ方をするより、誰かに望まれた生まれの方が自分を受け入れやすい……俺のコピーがそう言ったからだ。確かに、あいつは俺の望みで生まれた奴だからな」
「メタル殿……」
それは、つまり――
「自分の選択に後悔があったのだろう? やり直したいのではないかと思ったが、俺の思い過ごしだったようだ」
メタルがようやく自分がこの場に呼ばれた意味を理解したシャドーをじろりと睨む。
「――答えは?」
「コピーロックマンのことは、拙者に任せてくれぬか?」
「フン……それでいい。俺のコピーには諦めろと言っておく」
その言葉と共にシステムが起動。ヴン、と低いうなり声を上げて機械類が動き始めた。めまぐるしく表示を変えるモニタには、コピー終了までの時間が表示されている。
メタルはコピーロボットが現れるべき空のポッドを撫でながら言った。
「今度のコピーロックマンが生まれるのは、お前が望んだせいでもある……コイツを見ていてやれるのはお前しかいない。それを忘れるな」
「承知」
――これは、同じ轍を踏んだら殺されそうでござるなぁ。
『兄』として『弟』を気遣ってくれたのだろうか。
そう聞いたら彼は、「当然だ」とあっさり肯定するのだろうが。
+
全ての不幸の元凶を押し付けてくれて構わない
存在理由に悩んでいたあの君にはあげられなかった答え
君がいることを望んだのは僕だ
君の笑った顔が見たかった
ただそれだけなんだ
+++++++++++
コピメタさんは総攻ですが、2期ナンバーズはQとM以外手は出してないです。あの辺は純粋に弟として可愛い。
3期以降は見せしめというか、力関係を示す必要性があるからとかなんとか言ってますが、とにかく節操がないだけかも。どSなのでアーッ!なトラウマを作るのは上手。
影はちょっと(かなり?)コピメタさん苦手。
だからかもしれないけど、影コピはわりと純愛です。
メタルの言った「××××」に入る言葉はお好きに考えてください。
ロボットなのでリアルに台詞がピーで消えます。
めったんはピーの代わりにギュイーン!とかでも面白い。
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