さくさく行きますよ。出来れば今日中に終わらせてしまいたいところ。
<注意事項>
・私のフォルテ妄想満載の話です。フォルテに夢見すぎてます。
・M´×fの初めて話なので連載途中で裏に飛ぶ予定です。
・
超鬱というか病み?グロ(欠損)表現あり。
・事後表現、破廉恥ネタあり
・メットレス
以上の件がOKできる方だけ読んで下さい。
【6/8】話の流上おかしなセリフがあったので修正しました。全然気づいてなかったです;失礼いたしました。
【Misericorde_05】
「ふぅ……」
コピーメタルは体内で熱された息を吐き出し、恥辱に震えているフォルテの頬にキスをした。オイル塗れの小さな身体を抱きしめ、四肢が接続されておらず、バランスの悪いその身体がずり落ちないよう支える。
ふわりとした白い髪にもくちづけすると、背中を撫でながら優しく話しかけた。
「初めてなのにあんなに感じて、いやらしい子だね。誓って言うけど、俺はフォルテが声を抑えられないようにしただけだよ? 感度は弄ってない」
互いの首筋を繋ぐ細いケーブルを弄びながら続ける。
「フォルテは素質がありそうだし、いっそセクサロイドに改造してあげようか? そしたら悪さもできないしね」
「せくさ……?」
「これも知らないのか。教えてあげようか? さっきみたいに、お尻やお口で人間や他のロボットにご奉仕するのが仕事のロボットだ。お前は顔は可愛いし具合も良いから、客も喜ぶだろう」
鋭さが消えてあどけなさだけが残ったフォルテの顔に、うっすらと理解と恐れの色が沸く。
(やっぱり少しは脅さないと『お仕置』にならないな)
コピーメタルは内心で呟くと、わざとニッコリ笑って見せた。
「博士の借金も半分くらいはお前のせいなんだから、そうやって働いて返したらいい。他のナンバーズも何かしらの仕事を持ってるんだからね」
「…………っ!」
常のフォルテであれば、鼻で笑って馬鹿にしただろう。だが、今はコピーメタルに陵辱され、余裕を失っていた。鮮やかな紅の瞳が、今までに無く激しい動揺を見せた。
(やれやれ……これで『ごめんなさい』って言ってくれるかな?)
そう期待したコピーメタルだったが、フォルテは力なく俯いたまま沈黙してしまった。
「フォルテ?」
「……やっぱりそうなのか?」
怖れに満ちた囁き声に、コピーメタルは首を傾げる。
「……何が?」
「俺は役立たずなんだろ?」
コピーメタルから見えるのは、彼の赤い装甲に顔を埋める青ざめた横顔だった。フォルテは唇を震わせながら囁く。
「知ってるんだ……本当は、俺は『最強』なんじゃなくて、本物の『最強』を作るための試作機だってこと。そいつを作る目処がたったから、俺はもういらなくなったんだろ?」
「それは違う……博士は確かにより強いロボットを作ろうと研究しているが、フォルテを最強のロボットとして作ったのは間違いないよ? 俺も設計に携わったんだ。嘘じゃない」
それに、ワイリーはたとえ試作機であろうと、自分の作ったロボットを不要に思うことなど決して無い。ロボットは彼にとって単なる創造物ではなく家族だからだ。
そう続けようとしたのだが、フォルテはコピーメタルを見上げ、言葉をさえぎった。
「だったら……――俺は『フォルテ』じゃない」
「何を言って――」
「ロックマンを倒すまで、俺は『最強』を証明できない。だから俺はまだ『フォルテ』じゃない!」
幼い顔が苦悩に歪む。
「初めて起動したときからずっと、俺は、本当は何者でもない存在なんだ!」
「そんな事はない。お前はフォルテだ」
「違う」
頑なに繰り返すフォルテの目に浮かぶ深い絶望に気づき、コピーメタルは怯えた。自分は何かの拍子にフォルテの闇を穿り返してしまった――しかし、収拾の付け方がわからない。
コピーメタルの焦りをよそに、フォルテは早口に囁いた。
「名前がないと不便だから、便宜上そう呼んでるだけだ。俺はまだ本当の『フォルテ』じゃない。ロックマンを倒すまで、俺は『フォルテ』になれない……俺は、きっと、ずっと」彼は苦痛に顔を歪め、その先に続く言葉を拒んだ。「――博士はきっと、俺を造ったことを後悔してる」
「フォルテ、聞くんだ」
「俺をセクサロイドとやらに改造するなら、ついでに心も記憶も全部消してくれ」
「フォルテ!」
「俺をこの世から消してくれ!」
暗い願望を叫んだフォルテは、コピーメタルの冷たい装甲に顔を伏せた。本音を口にしてしまったせいで、今まで心の奥に押し込めて気づかぬフリをしていた鬱積が止め処なく溢れ出てくる。
――ああ、ロックマン。一息に破壊しつくして殺してくれていたなら、どんなに感謝しただろう。
お前が毎度毎度俺を生かすせいで、俺は苦しみ続けなきゃならなかった。
どんなに死を願ったことか。
それに抗ったのは、希望があったからだ。いつかお前を倒すという希望が。
ひどく疲れるんだ。お前を倒すことだけを考えて生きるのは。
大勢いる家族たちの、誰とも仲良くしないのは。
博士に逆らって、一人で生きていけるような顔をしているのは。
他の兄弟たちが楽しそうに笑いあって博士に愛されているのを、別に羨ましくもなんともないって顔で眺めているのは。
疲れる。もう疲れた。ずっと疲れてた。
お前を倒すか、死ぬまで、俺はずっとこうなんだ。もう嫌だと泣き言を言う自分を心の奥底に閉じ込めて生きてきた。
誰か助けてくれ。ずっとそう言いたかった。
言ってしまえば、俺は出来損ないになる。永遠に『最強のロボット』にはなれない。俺は生まれた意義を果たせなくなる。そんなことになったら、死ぬのと同じだ。
だから言えなかった。誰に頼ることもせず、弱音も吐かず、誰も信じず――そういうのは疲れるんだ。知らないだろう?
いい加減もう殺してくれ。
俺を壊してくれ。
ワイリーが逆立ちしたって二度と直せないように、コアも動力炉も記憶回路も何もかも、粉々に砕いてくれ。方法は教えてやったのに、どうしてそうしてくれなかったんだ。
あの人をホントは愛してるんだ。誇りに思って欲しかった。他の奴らにするみたいに、笑って抱きしめて、頭を撫でて欲しかった。一度でいいから「父さん」と呼びたかった。
それも、全部終わりだ。
消えてしまえるなら、もう何も望まない。
そうだ。消えよう。自分で自分をデリートしよう。
――何でもっと早くそうしなかったんだろう?
『フォルテ、止めろ! そんな事を考えるんじゃない!』
何故か頭の中で響くコピーメタルの声も気にならないほど疲れていた。
身体が軋むほど強く抱きしめられて、そのまま壊してほしかった。
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一個だけフォロー。
どこかでチラッと耳に挟んだ設定を取り入れてまして、「フォルテはゼロ(というか、とにかく強いロボット)を造るべく研究している際に偶然発見したフォルテニウムを使って造られたロボット」ということになってます。ワイリー自身は試作機のつもりはなく、当時自分にできる最高の技術を注ぎ込んで造ったのですが、フォルテの後継機、次世代ロボットとして設計を進められているゼロの存在を知ったフォルテが「自分は最強ロボットの試作機なのだ」と解釈したわけです。
フォルテは「試作機=完成型が出来たら不要」の図式を怖れているため、自分こそ最強であると証明することに対してもともと抱いていた強迫観念はさらに病的なものになっています。
そんな妄想設定。
[10回]
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