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愚者の跳躍

ロックマンの絵とか文とかのログ倉庫。2ボス、ワイリー陣営で腐ってます。マイナーCP上等。NLもあります。サイトは戦国BASARAメインです。

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2024/11/22(Fri)17:20

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Misericorde_07(M´×f)

2010/05/05(Wed)23:49

これでおしまいです。エピローグ的な何か。
キーボードのキーが重くて腕が痛いけど、連休中に終わってよかった!




<注意事項>
・私のフォルテ妄想満載の話です。フォルテに夢見すぎてます。
・M´×fの初めて話。
・メットレス
・鬱成分は緩和されました。


以上の件がOKできる方だけ読んで下さい。

【6/8】文章をちょっと修正しました。








【Misericorde_07】



 コピーメタルが目を開けると、無表情のオリジナルがこちらを覗き込んでいた。ヘルメットを被り、マスクをつけている。
「!?」
 泡を食って起き上がったコピーメタルは、自分の首筋から何本ものコードが垂れていることに気づいた。
「正常に再起動できて何よりだ」
「……俺、フォルテと一緒に消えたはずなんだけど?」
「ほう? 随分と元気そうに見えるが?」
 呆然と尋ねると、メタルが珍しく皮肉を込めた口調で言った。
「お前が助けてくれたのか?」
「わかりきったことを聞くな。本体に意識が戻ったせいで消えたように思えたんだろう」
 なるほど、と呟くと、コピーメタルは周囲を見回した。
「……フォルテは?」
 メタルが顎で促した先を見ると、別の作業台の上に、コードに繋がれたフォルテが寝ていた。調整用だが、四肢のそろった状態できちんとボディスーツも着ている。その足元ではらはらしてるゴスペルに歩み寄り、メタルはその鼻面を宥めるように撫でた。
「パージした記憶と再統合するために、人格がいったん分解されただけだ。別に消えたわけじゃない。作業量が多いから眠っているが、放っておいてもそのうち目を覚ます」
 必要以上に抑制の効いた話し方を感じ、コピーメタルは恐る恐る尋ねた。
「ひょっとして……怒ってるのか、オリジナル?」
「当たり前だ。俺は、お前やフォルテに消えて欲しいと思ったことなど一度もない。もちろん、アルバートもそうだ」
 じろりと睨みつけられ、コピーメタルは何とか誤魔化そうと話題を探す。
「あ~~…………そうだ。博士は?」
「書斎にいらっしゃる。酷く心配しておられたが、俺が一人で様子を見に行くと主張したんだ。どんな『お仕置き』をしているのか見られて、ばつの悪い思いをしたくないだろうと思ってな。まったく、何事かと思ったぞ。こっちの頭が割れるような勢いで呼び掛けて来たくせに、回線を開いた瞬間に通信を遮断するなど……」
 藪蛇だった。
「四肢を奪って犯すなど、あまり良い趣味ではないな」
「別に俺の趣味じゃないよ。フォルテには拘束具なんて意味はないし、暴れられたら絶対に勝てないのはわかってたからさ。もう二度としない」
 コピーメタルはコードを外し、台から降りてフォルテに近づいた。
 目を閉じているフォルテの頬に指の背で触れ、恐る恐るメタルに問いかける。
「目を覚ますと思うか?」
「さっきも言っただろう。遅くとも明日の朝には再起動するはずだ」
「俺が目を覚ます前に、この子が笑ったような気がしたんだよ」
「フォルテが?」
 これにはメタルも驚いたようだった。フォルテは凶暴な笑み以外の笑顔を見せたことがないのだ。
 オリジナルに頷き返し、コピーメタルは記憶を探った。
「気のせいかもしれないが、笑顔をハッキリ思い出せる。すごく可愛かったよ……なんだかドキドキして……こんな気持ちは初めてだ」
「フォルテと話はできたのか?」
「ああ。俺たちは、この子のことを随分誤解してたようだ」
 コピーメタルの言葉を聞き、メタルは頷いた。
「後で詳しく教えてくれ。データは要らないから、俺と博士が知っているべきだと思うことを、お前の口から説明するんだ」
「何でだ? それじゃ不正確だろう?」
 メタルマンのオリジナルとコピーの間では、必要な記憶情報は全てデータでやりとりしているのだ。だが、メタルは呆れ顔になった。
「何もこまごましたことまで明かす必要はないんだ。フォルテの了解もなしに心の中身をぶちまけるわけにはいかんだろう」
 メタルはそう言うと、コピーメタルの頭をぽんぽんと撫でた。
「朝まで側にいてやれ。俺はアルバートを安心させてくる」
「ああ……」
 コピーメタルが頷くと、今度はフォルテのサポートロボットに向かって言った。
「ゴスペル。心配なのはわかるが、無駄にうろついてエネルギーを浪費するんじゃない。こいつがフォルテに危害を加えないことは俺が保障する。さっさとスリープモードに入れ」
 ゴスペルは不承不承といった感じで作業台の側にうずくまった。瞼が閉じる直前、鋭い目がじろっとコピーメタルを睨む。
 コピーメタルは苦笑しながら作業用の低いイスを引っ張ってきて腰を下ろし、台に腕をついてフォルテの寝顔を眺めた。
 動きを止めて力なく広がった手を握り、眠る子供が悪夢に襲われたりしないか見守っているうちに、彼もスリープモードの安息の中に落ち込んでいった。

   +++

 フォルテが再起動したのは夜明け頃だった。誰かが手を柔らかく握っている。目を開けて首を動かすと、フォルテの寝ている台で、コピーメタルが自身の腕を枕に眠っていた。
 どうやら消え損ねたらしかったが、さほど悔いはなかった。
 ゴスペルの識別信号がすぐ側にある。やはり同じように寝ていたが、フォルテの声を聞けばすぐに目覚められるように待機しているのがわかる。
 守られているのを感じてコアが熱くなった。
 コピーメタルに酷い事をされていたときは許せない、殺してやりたいと思ったが、今はそうは思ってない。
 どうやら隠していた心を全部見られてしまったようだが、別に嫌だとは思わなかった。心の中にぽっかり開いた穴が消えたわけではなかったが、今は寒さを感じなかったし、その穴も前より少しだけ小さくなってるような気がする。
 自分はすっぱり死に損ねたことを後で悔やみ、助けたコピーメタルを恨むかもしれない。
 それでも今は、自分を殺さず救おうとしたことの方が、彼の愛で優しさなのだと思えた。


 まだとどめは必要ない。




+++++++

あとがきというか。
これが今までちまちま書いてきた、うちのフォルテの設定です。フォルテはいわば、「デレると死ぬ呪い」に掛かっているツンデレっ子なんです。しかし、愛してもらえなければそれはそれで死んでしまう(笑)コピーメタルはそれがわかっているので、ツンツンされてもひたすら愛情を注ぎます。たまに意地悪やハレンチもしますが。
あ、あとめったんは犬嫌いですがゴスペルは平気です。狼だから。



妄想まみれで俺得なこの話を最後まで読んでくださった方、いつも以上に深い感謝を!!

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No.420|ロックマン腐向けComment(0)Trackback()

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