大変お待たせいたしました!2万ヒットのフリリクです。
リクエストはメタルとクラッシュでしたが、気づいたら兄弟皆が出番を寄越せと言って来ましてww作業が出来なかった間しこしこネタをこねていたためか、妙に長くなってしまいました。申し訳ない……が! 愛だけは無意味に込めました。
夕多さま、受け取ってくださいませ!(><)
4つに分けてアップします。
【Machine child_01】
「あ! 皆お帰りぃ~!」
任務を終えて基地に帰還したDWNたちを迎えたのはヒートマンの舌足らずな声だった。バブルと共に留守番をさせられていた彼はほっとした様子で先頭を歩くメタルマンをすり抜け、唯一の弟であるウッドマンの元へ駆け寄る。
「大丈夫だった、ウッド? フラッシュが増援頼むなんてよっぽどのことだもん、僕もバブルも心配してたんだよ?」
「うん、兄ちゃん……僕は大丈夫。でも……」
ウッドが心配そうに振り返る。そこにはクイックマンに背負われてぶつぶつ文句を言うフラッシュマンの姿があった。その両足は鋭利な切断面を見せてすっぱりと断ち切られている。ある程度の応急処置はしてあるようだったが、痛々しい姿には変わりない。
「フラッシュ、大丈夫!? それ、敵にやられたの?」
「ちげぇよ。このお兄様が自慢のブレードでずっぱりやってくれたの」
指差されたクイックはむっとした様子で背後の弟を睨む。
「緊急避難だ。メタルも俺の判断を褒めてただろ?」
「わかってるっての……元はといえば俺の回避能力が低いからだよ」
「別にそんなことは言っていないだろう。あの時はあれが最善の判断だったんだ」
「俺が気にいらねぇのは人様の足をぶった切っておいて済まなそうな顔一つしねぇお前の神経だよ!」
「助けてやったんだからお前こそ礼くらい言え!」
いがみ合う二体の装甲には細かいひびやへこみが目立つ。ヘルメットから露出した顔も大分煤けていた。クイックの回避性能は兄弟随一だが、その分装甲も薄い。彼もまた、見た目よりも深いダメージを受けているだろう。
「二人ともいい加減にしろ。さっさと整備室に行け」
追いついてきた次兄のエアーマンがうんざりしたように言った。
ヒートは兄たちを追い立てる青い巨体の背後に、しょんぼりとうなだれた橙の装甲姿を見つけた。五男のクラッシュマンは精神年齢が幼い事もあってヒートやウッドと親しい。とてとてと歩み寄って顔を覗き込む。
「クラッシュ、どうしたのぉ……?」
増援が必要になったのはクラッシュが暴走したせいであることは知っていた。だがそれはいつものことだ。シミュレーションでも実戦でも、クラッシュはよく暴走した。しかし大抵の場合、正気に返ったクラッシュはけろっとしており、周囲もほとんど気にしない。それが当たり前であるはずだった。
「ねぇねぇ、クラッシュってばぁ」
しつこく声をかけると、ぼそりと答えが返る。
「……嫌われた」
「へ?」
「……メタルに嫌われた」
それきりクラッシュは何も言わず、見かねたらしいエアーが彼の頭をぐりぐりやりながら連れて行く。
ぽかんとした顔で見送ったヒートは、傍らでおろおろとしていた弟を見上げる。
「……何があったの?」
「あのね……メタル兄ちゃんが、クラッシュ兄ちゃんをぶったの」
「……え?」
「もうすっごい音したんだよ、ばしーんって」
興奮しているのか、常は穏やかなウッドが腕をぶんぶん振って力説するが、ヒートはまったく事情が飲み込めず困惑するばかりだ。
「……どういうこと? メタルが僕らに手を上げたのなんて、見たことないよ?」
確かに長兄でありDWNのリーダーであるメタルは弟たちに厳しい。末っ子である故か、ヒートやウッドにはやや甘いが、それでも彼に説教された経験には事欠かない。だが、たとえメタルは弟たちに本気で怒ったとしても殴ったことはなかった。ただ黙って睨みつけるだけだ。
「ねぇウッド、何があったの? ぜんぜんわかんない」
「うん……僕もちゃんとわかってるわけじゃないけど……」
ウッドはクラッシュの消えた廊下の先を気遣わしげに見つめ、事の次第を話し始めた。
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