昔々、千年くらい昔。
今ではバルヴィエステと呼ばれている辺りに名もない小さな国がありました。その地域のほかの国と同じように、小さな国も戦争をしていました。
王様とお妃様は大国に負けないように、小さな国の少ない兵士たちを率いて戦い、決して負けませんでした。
周りの国も大国も、何度も王様を暗殺しようとしましたが、王様は決して死にませんでした。
王様は民から“死なずの王”と呼ばれて神様のように敬われましたが、王様もお妃様も、もう戦争は嫌だと思っていました。
そんなとき、二人の前に金の杯を持った怪しい男がやってきました。
どんな願いも叶えてくれるという金の杯を差し出された二人は当然怪しいと思いましたが、最終的に「もうこの国が戦争にまきこまれないよう」と願うことにしました。
願いは叶い、どこの国も戦争を仕掛けてこなくなりました。
それどころか、連絡も取れなくなりました。
国の外に出た人たちも、戻ってこなくなりました。
杯の力によって、その国の位置が誰にもわからなくなってしまったのです。
確かに戦争はなくなりました。
小さな国は、ひっそりと自給自足の生活をして平和に過ごしていましたが、やはり若者たちはその暮らしに耐えられず、どんどん外に出て行って、二度と帰ってこれなくなりました。
お妃様がなくなりました。
“死なずの王”は暗殺者の剣や毒と同じように寿命でも死ななかったので、民の最後の一人が死ぬまで行き続けました。
最後に息を引き取った民を埋葬すると、王様は自らの手で門を閉ざし、国を後にしました。
その国は今でも、バルヴィエステのどこかにあるといいます。
どこにあるのかは、誰にもわかりません。
……っていう設定の話を捏造しながら、土曜日は紅蓮大火竜キャンペーンの第一話をやってまいりました。日曜日はDX3キャンペーンの第7話。
詳しくは追記で。
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